盗難車でも所有者に管理責任にある?
自身の車が盗難されることは、決して日常茶飯事に起こることではありません。
しかし、全く起こらないと断言することもできないでしょう。
万が一自身の車が盗難に遭い、その車が事故を起こした場合、その責任は誰が負うことになるのでしょうか。
一般的には車の所有者は盗難の被害者で、盗まれた車がどこで事故を起こしても管理責任を含めて事故の責任を負うことはありません。
しかし、管理状態に問題があって車が盗難された場合には管理責任を問われることはあります。
例えば、コンビニの前に車を駐車しエンジンをかけっぱなしの状態で買い物をしていたとしましょう。
そのタイミングで車が盗難された場合には、車の所有者は「適切な管理をしていなかった」とみなされます。
この盗難車がどこかで事故を起こすと、車の所有者にも管理責任が問われることはあるでしょう。
エンジンをかけっぱなしにする以外にも、管理責任が問われるケースはあります。
例えば車内にキーを置きっぱなしにしたとか、ドアをロックせずに保管していたとか、また誰でも簡単にアクセスできそうな場所に車を保管していた場合に「盗まれた側にも責任がある」とみなされてしまうのです。
人気のない空き地に何カ月も車を放置していたとか、違法な路上駐車をしている時に車を盗難されたという場合も所有者にも責任の一端があるとみなされてしまいます。
自動車保険の補償はどうなるの?
盗難車が事故を起こした場合、自動車保険の補償はどうなるのでしょうか?
もしも車の所有者に事故の責任がない場合には、所有者の保険はその事故とは無関係ということになります。
そのため、対人賠償や対物賠償などを使うことはできません。
万が一車を盗んで事故を起こした人が自動車保険に加入していなかった場合でも、車の所有者に責任はないため金銭的な賠償責任が発生する心配はありません。
なお盗難車自身がうけた破損に関しては、車両保険に加入していれば補償を受けることは可能です。
それでは、自動車の所有者に管理責任があるとみなされた場合にはどうなるのでしょうか?
この場合、自動車保険では強制加入となっている自賠責保険による補償に加え、誰かをケガさせた場合に使うことができる対人補償を受けることができます。
事故で相手の車やモノを破損したなら、対物補償を使っての補償を受けられます。
盗難車が受けたダメージに関しては、所有者に管理責任があったかどうかに関係なく車両保険によって補償を受けることが可能です。
ただし、管理責任の度合いや過失具合によっては車両保険による補償が対象外となってしまうことがありますので注意したほうが良いでしょう。